「下水減免って、うちの業種でも使えるの?」
そんな疑問を持つ施設担当者のために、業種ごとの削減可能性と削減率の目安をまとめました。業種によって水の消失ルートが異なるため、削減率も変わります。また、構造上そもそも対応できない業種もあるため、正直にお伝えします。
そもそも下水減免とは
下水道料金は、水道の使用量をそのまま排水量とみなして計算されます。しかし実際には、蒸発・体への吸収・製品への含有など、下水道に流れない水が必ず存在します。
この「実際には排水していない分」を実測・証明して自治体に申請することで、下水道料金を適正な金額に是正できます。これが下水減免の仕組みです。
業種別:削減可能性と削減率の目安
工場 最大30%
製造工場では、水の消失ルートが複数あります。
- 蒸気の使用:加熱・殺菌・乾燥工程での蒸発
- 水冷式空調・冷却塔:冷却水の蒸発ロス
- 散水・加湿:屋外散水や工場内加湿による消失
- 製品への含有:食品・飲料など製品に水分が含まれるケース
これらが重なる食品加工・飲料・化学・金属加工などの工場では、使用水量の最大30%程度が下水道に流れていないケースがあります。製造工程で水を加熱・蒸発させる工場は特に可能性が高いです。
銭湯・温浴施設 最大40%
銭湯や温浴施設は、業種の中でも特に削減率が高くなりやすい施設です。
- 湯気・蒸発:浴槽の湯面から常時蒸発する水分
- タオル・体への吸水:入浴後に体やタオルが吸収する水分
- サウナ・スチーム:高温環境での蒸発ロス
お風呂に入ったあとのことを想像してみてください。タオルで体を拭くだけでも相当な水分を吸収しますし、浴槽の湯面からは常に蒸発が起きています。これが何十人・何百人分も積み重なると、排水されない水の量はかなり大きくなります。
銭湯・スパ・スーパー銭湯などの温浴施設では、最大40%程度の削減が見込まれるケースがあります。
クリーニング店 最大30%
クリーニング業では、仕上げ工程でスチームアイロンや蒸気プレス機を大量に使います。この蒸気がそのまま空気中に蒸散するため、使用した水の相当量が下水道に流れません。
洗浄工程での水の使用量が多い大型のクリーニング工場ほど、削減額が大きくなる傾向があります。最大30%程度の削減が目安です。
病院・医療施設 施設規模による
病院では、下水に流れない水の消失ルートが複数あります。
- 厨房での調理:煮る・炊く・蒸す工程での蒸発
- 患者への飲料・点滴:体内に入る水分
- 加湿・医療蒸気:病棟の加湿管理や医療機器からの蒸気
大規模病院や入院病棟を持つ施設では削減効果が出やすく、愛知県内の築50年超の病院では実際に10%の削減を実現した事例があります。施設の規模・入院病床数・厨房の規模によって削減率は変わります。
コインランドリー 最大20%
コインランドリーでは、乾燥機の稼働による蒸気・熱風で水分が蒸発します。クリーニング店と仕組みは近いですが、業務用の大型乾燥機と比較すると蒸発量は控えめになるため、削減率の目安は最大20%程度です。
店舗の稼働率・乾燥機の台数・運転時間によって変動します。
飲食店 対応困難
飲食店については、正直にお伝えします。現状、飲食店での下水減免の対応は難しい状況です。
下水減免の申請には、排水の実測データが必要です。そのため排水口に流量計(排水メーター)を設置して実際の排水量を計測するのですが、飲食店の構造上、排水メーターを設置できないケースがほとんどです。
「うちの飲食店も削減できないか」というご相談はよくいただきますが、現時点では対応できないことが多いためご了承ください。
業種別まとめ表
| 業種 | 削減可能性 | 削減率の目安 |
|---|---|---|
| 銭湯・温浴施設 | ◎ | 最大40% |
| 工場(製造業) | ◎ | 最大30% |
| クリーニング店 | ○ | 最大30% |
| 病院・医療施設 | ○ | 施設規模による |
| コインランドリー | ○ | 最大20% |
| 飲食店 | × | 対応困難 |
POINT / まとめ
- 下水減免は業種によって削減率が大きく異なる
- 蒸発・体への吸収・製品含有など、水の消失ルートが多い業種ほど削減効果が高い
- 銭湯・温浴施設は最大40%と最も削減率が高くなりやすい
- 飲食店は排水メーターの設置が難しく、現状対応は困難
- まず無料診断で自社の削減可能額を確認することをおすすめします
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