電気代・ガス代・水道代が上がり続けるなか、製造業の固定費をどこで削るかは切実な問題です。今回は、大阪府内の豆腐工場で下水減免(下水道料金の見直し)を実現し、毎月15万円のコスト削減に成功した事例をご紹介します。
「うちは食品工場だから関係ない」と思った方こそ、ぜひ読んでみてください。
豆腐工場で「払いすぎ」が起きていた理由
大豆を煮ると、水は水蒸気になって逃げていく
豆腐の製造工程では、大量の大豆を煮ます。この加熱の過程で、使用した水の一部は水蒸気として工場内に蒸散していきます。
ここで考えてみてください。水蒸気になった水は、下水道に流れていると思いますか?
答えはノーです。蒸発した水は空気中に消えていくだけで、下水管には一滴も流れていません。
でも下水道料金には「全量」課金されていた
現在の下水道料金の算定は、水道の使用量をそのまま排水量とみなして計算します。つまり、蒸発して消えた分も含めて「全部下水に流した」として料金が発生するわけです。
この豆腐工場では、製造工程での蒸発量が使用水量のうち相当な割合を占めていました。にもかかわらず、長年にわたって蒸発分まで含んだ金額を払い続けていたのです。
解決策はシンプル:実際に流れている量を計測する
排水メーターを設置して「本当の量」を測る
今回の対応はシンプルです。工場の排水口に流量計(メーター)を設置して、実際に下水道へ流れている量を計測します。
水道メーターが「使った量」を測るのに対して、排水メーターは「実際に排水した量」を記録します。この実測値をもとに自治体へ申請することで、本来の排水量に見合った料金への見直しが認められます。これが下水減免の仕組みです。
この工場ではメーター設置後に月15万円の削減を実現
大阪府のこの豆腐工場では、メーター設置後に排水量の実測データを取得し、自治体への申請を経て毎月15万円のコスト削減を達成しました。
年間に換算すると180万円。設備投資や製造工程を変えることなく、請求の「ズレ」を正すだけでこれだけの金額が浮くことになります。
光熱費が上がる時代だからこそ、見直しの価値がある
電気代・ガス代・水道代はここ数年で大幅に上がっています。製造コストが上昇するなか、企業が打てる手は限られています。
そんなときに見落とされがちなのが、もともと払う必要のなかったコストの存在です。下水道料金の過払いはその典型で、「固定費だから仕方ない」と思い込んでいるうちに、何年も余分に払い続けているケースが珍しくありません。
豆腐・豆乳・食品全般の加熱工程、飲料製造、化学・金属加工など、製造プロセスで水が蒸発する工場は広く対象になる可能性があります。
POINT / まとめ
- 豆腐製造では大豆を煮る工程で水が蒸発し、下水道には流れていない
- しかし下水道料金は水道使用量の全量を排水量とみなして課金される
- 排水メーターを設置して実測値を申請することで、料金の是正(下水減免)が可能
- 大阪府の豆腐工場では毎月15万円(年間180万円)の削減を実現
- 電気・ガス・水道代が上がるなか、固定費の見直しは大きなインパクトになる